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留学の本質を理解しよう



留学は大変

そもそもなぜ海外留学するのでしょうか。

日本にいるほうが、文化としてもずっと楽なのに、わざわざ異文化に出て、ストレス感じて、言語が通じなくて、お金かけて、勉強は大変、、、そんな苦労をあえてしに行くわけです。図太い私ですら、いろいろ悩みましたし、ホームシックになりました。サンフランシスコにいるとき、家の近くにある小高い公園から太平洋を見て、「日本につながっているのかな」なんて思った時もありました。

一言でいうと、留学って大変なんです!!しかし、それこそが留学の本質なんですよね。

つらいことは山ほどあります。トラブルは当たり前で、ある意味トラブルは留学の醍醐味です。自分の弱さも露呈することもあれば、人とぶつかることもしょっちゅうです。そこに
あえて自分のチャレンジを求めることが大切なのです。そして、トラブルを前向きにとらえ、むしろ楽しむぐらいで行きましょう。私は「前向き変換装置」と呼んでいますが、ポジティブシンキングでトラブル、チャレンジを楽しむ気持ちを持ってほしいですね。

留学はパルプンテ

ドラゴンクエストというゲームの中にパルプンテという呪文があります。何が起こるか分からない呪文です。自分が混乱することもあれば、敵が消えてなくなったり・・・最強の呪文であると同時に、最悪の呪文です。何が起こるか分からないからこそ、普通の人はなかなか使えません。

留学はまさにパルプンテです。何が起こるか分からないんですね。「留学した後は、外資系に努めて、そこで・・・」なんてキャリア設計をしているかもしれませんが、フタを開いてみたら、10年後にはマレーシアで自分の会社を設立しているかもしれないし、アルゼンチンンの漁村で主婦をしているかもしれないのです。「そんな人生いやだな」と思うか、「それも面白いじゃないか」と思って、冒険をできるか。留学とは自分の人生にパルプンテをかけてみるということなんですね。

その結果、間違いなく自分が変わります。価値観が変わります。見えている視界と景色が変わります。かぶれる自分もいるでしょう。いろいろなトラブルや苦労を乗り越えたことがこの上ない経験として、自分の糧になります。

「想像以上に君は変われる」・・・これはカナダ留学フェアのスローガンです。そう、これこそが留学です。

留学は夢を追い求める場所

大変なことだらけだとしても、パルプンテだとしても、でも、やっぱり、留学にはワクワクさせる何かがあります。うまく言えないけど、何か知らないけど、「留学したい」という強い気持ちがあふれ出てきてしまうのです。

こういう気持ちは大切にしてください。誰しもがまずはそこから留学という芽を育てているのです。本当に
夢と憧れ、ワクワク感をもって留学をしてほしいと思っています。

「なんで留学なのか」という具体的な理由は後付でも良いいです。むしろそこから考えてしまうと、留学が無味乾燥になってしまいかねません。まずは
行きたいという内から出る気持ちを大切にしましょう。

キャリア志向だけでは成功しない

海外進学を目指す中で当然キャリア志向というものが出てきます。海外進学が自分のキャリアとしてプラスになるという考えですね。このキャリア志向は正当ですし、とても重要なのですが、それだけで留学をとらえている場合は成功しません。極端な話、「就職に有利」という理由や、海外進学を早慶上智、旧帝大と並べるようなマインドは決して留学向きではありません。

改めて言いますが、留学の醍醐味はトラブルであり、留学の本質はパルプンテなのです。そこに対して前向きなマインドがなければ、有意義なものになりえません。

また、キャリアというのはある意味、自分の外にある動機(External Motivation)です。自分を変えたい、成長したい、自己実現をしたい、という内から出る動機(Internal Motivation)がなければ、物事は続きませんし、まして苦しいことを乗り越えることができません。

グローバル社会における競争力が注目される昨今、この本質を理解せず、キャリア志向のみで海外進学を求めるケースが増えてきたように思えます。それも大切ですが、ぜひ「夢」とか「自分を変える」とか、物質的でも実益的ではないけど、確かに根底にあるその本質を大切にしてほしいと願います(特に保護者、教員のみなさん、気を付けてください)。

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