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グローバル教育デザインE 連携と構造改革

学校全体の取り組みにする

全校的な取り組みにするというのには2つの意味があります。

まず、多くの教員が関わるということ。グローバルという専門部署は必要ですが、そこだけでできることではありません。現実的にスキル、意識と言う面で全員の教員が一律に取り組むことは難しいかもしれませんが、やはり一人でも多くの教員に関わってもらうことが持続可能かつ推進力のある教育になるはずです。

次に、教育の成果を一部にとどめず、学校全体の生徒に、学校全体のプログラムに普及するということです。モデルケースとして、一部のコースや教科で、もしくは課外活動として取り組みを先行させていくことは有効でしょう。しかし、そこに留まらず、より広く一般的な取り組みに移行させていかなくてはいけません。

そのためには、一部の部署や教科にとどめず、取り組み内容や成果を学校全体で周知徹底し、共有することが求められます。

管理職、キャリア、教務、教科との連携

専門部署ができたとしても、当然その部署だけで完結するものではありません。管理職、教務、キャリア、教科と連携していくことが不可欠です。そしてそれぞれがそれぞれの役割を意識し、推進していくことが必要になります。

新しい教育を進めていく以上、学校組織図のあり方、仕事の分担、会議、教科主任のあり方も全て含めて構造改革していくことが望まれます。そう、グローバル教育は学校にとっては構造改革なのです。

管理職

  1. 学校としてグローバル教育を推進する
  2. 目指す人材像、コンセプトを明確にする
  3. 広報でグローバル教育を打ち出し、外部への発信を行う
  4. 部署の設置、人材、予算など、推進できる組織づくりを構築する

グローバル専門部署

  1. 管理職と連携して、ビジョンとプログラム作りを行う
  2. グローバル教育の企画、運営を行う
  3. 専門職として他部署と連携をする
  4. ビジョンやノウハウを広く共有し、教員の意識の改革、スキルアップを図る

キャリア教育、進路指導

  1. 総合的な学習を始めとしたグローバルキャリアを組みたてる。
  2. グローバルスキルの育成をカリキュラム、シラバスの中に組みたてる
  3. 大学入試改革や多様化する入試に向けた進路指導の改革を行う

教務、教科

  1. グローバルスキルの育成を目指した教科プログラム、シラバスの作成を主導する。
  2. 教科横断的な取り組みを入れ、教科の枠を超えた授業プログラムを組み立てる。
  3. ルーブリック型評価の導入など、評価方法の改革を行う。

教務主導から連携型の構造へ

4者の連携と言う点では、私は教科主任の会議などに、教務だけでなく、グローバルやキャリア、進路を担当する部署も入っていくことが望ましいですね。

授業は教務の聖域みたいな古い考えでは教育改革はできません。まして入試が変わります。求められている人材像も変わります。
従来の教務主導の授業作りは限界であり、それでは結局のところ何も変わりません。構造と意識が変わらなければ変化は生み出せません。

それぞれの部署が多角的な視点を持って、協力して、オープンマインドの教育を創っていく、そして教科主任がそれぞれの部長と対等な立場に立って教科として授業改革を設計していく、これが理想形です。

私は、常々、教科や部署の枠を超えた教科会ができないか、と夢描いていました。そもそも教養や知という1つの体系を作るにあたって、教科という枠は何の意味があるのか、そこまで掘り下げて議論するべきだと思います。

そういう意味では、IBのような教科というコンセプトを超えた教育作りにヒントがありそうです。


英語科のリーダシップと脱英語科依存

教科の中でもやはり英語科との連携は責務です。というより、私は、英語教育改革はグローバル教育の一環として位置づけています。グローバル教育は英語だけではありませんが、中高にあって英語が一大ニーズであることは間違いありません。

どんなにグローバル教育を推進していても、英語科改革が進まなければ、その学校は相手にされないでしょう。グローバル教育の足を英語科が引っ張っていては元も子もありません。逆にグローバル教育を推進している人間が英語教育改革に何も見識がないというもの問題です。

そういう観点から、英語科とグローバル担当部署を線で結ぶことは必須です。
グローバル教育のリーダーが英語教育にもしっかりと中心的に関わって、英語教育改革をリードしていくことが望まれます。

教科と校務分掌は別と言う学校もあるかもしれませんが、大きなビジョンで物ごとを見たら、この両者のつながりは絶対必要です。特に改革の鈍い学校では、ここがもどかしい課題になるはずです。

その中で避けて通れないのが「英語科の先生、大変じゃないですか」ということです。これは色々な方面で聞かれます。

ええ、大変です。ただでさえ英語科は学習指導、進学指導の中核に位置しており、そのプレッシャー、負担は多大です。その上、グローバルまで英語科主導になるわけです。「もたないよ!」「人手が足りない!」「なんで英語科ばかりに押し付けないで!」という声が聞こえていませんか。実際、その通りです。

しかも、やれ入試改革だ、やれ4技能型の英語教育だ、と改革を押し迫られて、尻たたかれて、「英語科なのに英語が話せない」とか揶揄されて・・・。英語科の先生方(私も含めて)、大変ですよねー。

でも、
この時代に英語教員になった以上、やるしかない。このままグローバルを避けて英語科教員を続けていくのは無理なのではないでしょうか。「私が教員になった時にはこんなつもりじゃなかった」と年配の先生方は言うでしょうが・・・仕方ないですね、としか言いようがありません。覚悟するしかないですね。

 一方で、学校は「脱英語科依存」に向けて、努力しなくてはいけません。そのためにも多くの教員に積極的に参画させること、英語科を支える組織体制と意識を育てていくこと、そして学校全体で負担を分担できるようにことが重要です。

でも、無理しない

まあ、どんなにいいビジョンを持っていても、どんなにいいプログラムを組んでも、最後はやはり人です。人は宝。それこそ教育も人財の時代です。人財の育成が最重要課題であろうと同時に、学校は人がつぶれないような組織体制を構築しなくてはいけません。

私たち、責務を担う側の教員もつぶれてしまっては意味がありません。教える側に余裕がなければいい教育はできない。頑張るけれど、一人で頑張りすぎず、みんなで協力して、ストレスをためすぎずに、健康体で仕事できるように心がけましょう。

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