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グローバル教育デザインD 組織作りと人材育成

グローバル教育の組織構成と運営

組織作りうんぬんの前に、大前提として1つお話ししたいのが、グローバル教育の仕事はスペシャリストのそれであるということです。相当な勉強が必要ですし、専門的な見識、ノウハウ、経験がなくてはできません。

私もここまで来るのにたくさん勉強しました。色々な資料を読み、色々な学校の先生方、企業の方と情報交換をしました。失敗もたくさんした中で、情報やノウハウを積み上げてきました。私自身、グローバル教育部長をやってきた人間だからこそ、その専門性が分かっており、そのフィールドに精通した人材の必要性を感じています。

まだまだそこが理解されません。グローバル教育が新しい教育で、専門的なフィールドである以上、たとえ管理職や他部署の部長であっても真摯に勉強をする姿勢を持ち、また専門職に頼り、連携して、ともに教育デザインを作り上げていくことが重要な大前提になります。

専門部署の設置、人材の育成

グローバル教育を推進する際、「絶対に専門部署を作るべきだ」と声高に主張します。学校によっては教務部の中に国際交流係が配置されていたり、英語科の先生が片手間に担っていたりするようですが、簡単な国際交流プログラムだけならともかく、グローバル教育を学校の取り組みとして進めるにはこれでは機能しません。グローバル教育の専門性を認めて、独立した部署として設置することが望ましいと言い切ります。

そして、
その部署が、教務部や総合学習や進路を担う部署と同じポジションで対等に議論し、また英語科とも連携していくというのが最低限のイメージです。

さて、私はグローバル教育部を運営していましたが、どのような仕事をしてきたのか。うーん、自分でもよく分かりません。よく分からないぐらいメチャクチャな守備範囲でしたね。昔、外部の方に「えーと、ちょっと言葉が出てこないのですが、なんとか部長やっているんですよね」と言われたことがありますが、ある意味「なんとか」部長で的を得ているぐらい色々なことをやっていました。

パンフレット作り、説明会、入試分析、国際クラスの運営、カリキュラム作り、英語教材作成、グローバルキャリア、国際交流業務、海外進学、ネイティブの勤務管理、・・・挙げたらキリがないぐらいです。実際、仕事の概要とポイントをまとめた「タスクリスト」というものを部で作成したのですが、概要だけでも40ページぐらいに及ぶ内容量でした。

もちろん国際、グローバルをコアとした自分たちのメインの枠組みに加えて、あらゆる部署と連携して、専門職としての機能、役割を果たすという感じです。

タコになるな、クモになれ

でも、専門部署を作るにしても、なかなかそれをできる人材がいないというのがどこも抱えている課題だと思います。そもそも人材がいないのに、学内で養成するというのは不可能ですよね。

そして、グローバル教育は「タコ壺」のように内向きにやっていてはできません。
ネットワークを作り、日本教育界が協力してグローバル教育の底上げをし、人材を育成していかなくてはいけないと思うんです。

そういう意味で、
「タコになるな、クモになれ」です。

これについては、私はずっと主張していることですが、
学校の枠を超え、グローバル教育担当者の養成講座や講習会を実施することが一番だと思います。講演会というようなレベルではなく、定期的に実務のやり方など細かいところも含めてノウハウを共有する実践的な講習会といったようなものですね。ベネッセやJTBといった私が一緒に仕事をしている企業にもそのネットワークづくりの必要性はいつも訴えています。このサイトも、学校の枠を超えてグローバル教育を活性化させる一端になればと願っています。

そのようなことを通して、高いレベルでグローバル教育を実践できる学校ネットワークができればいいな、と常々思っています。

グローバル教育部長のレシピ

人材の発掘、育成という点から、「グローバル教育部長にはどんな人がふさわしいのか」という質問をされたことがあります。

みなさんはどう思いますか。私はその時こういう答えを提示しました。

・ 授業力がある、指導力がある
・ 知ったかぶりが得意である
・ 適度に生意気、ちょっとかぶれているぐらいがいい
・ 人と変わっていることを自画自賛
・ プライドが高い、負けず嫌い
・ 語学力、海外経験にたけている

少しギャグっぽいですか。でも、本当にそう思っています。そして、これらを言い換えると、以下のような資質、そしてスキルに置き換えられます。

いかがでしょうか。




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