私は大学院留学だったので、学校選びについても、学部留学とは、ずいぶん事情が違いました。
何よりも専門はTESOL、英語教育と決まっていたので、学校選びはその土台からスタートすることになります。
そして、専門が決まっているということは、その分野で有名なプログラム、そして教授を求めて志望校が決まっていくのです。実際、授業や論文を通じ、「この教授のいる大学で研究したい」とか思うんですね。
また、大学生の場合、専門については誰よりも大学の教授という強い味方がいます。中でも、私の「ICUの母」というべき根津先生のオフィスには足しげく通いました。今考えると、うざったいぐらいに頻繁にオフィスに行って、相談させていただいたのを覚えています。
その根津先生がある本を手に取って、「TESOLならここがいいわよ」と教えてくれたのが、後に行くことになったSan
Francisco State Universityだったのです。
その本とは、根津先生の授業で使っていた外国語教授法の教科書、Douglas BrownというSFSUの教授が書いた本です。彼はTESOL界の超〜有名人で、その本も「言語教育で最も売れている本」と言われていました。
(H. Douglas Brownの教科書です)
さらに私が重宝した本があります。「英語教授法」というタイトルの大学院留学の専攻ガイドです。私が大学3年の時に出版されました。時期も、タイトルもドンピシャです。前半は学問分野の説明、後半にはTESOLで有名な大学院プログラムの紹介がされています。
そこに3色で付箋を貼っていきました。現実的な志望校、行きたいけど経済的に無理な大学、第2レベルの志望校という3つです。その本を読みながら、自分の夢や妄想を膨らませ、志望校選びをしていったものです。
今でも、この本は捨てずにとってあります。
ここでは、基準の話で、具体的な出願校は、後ほど、出願のところで述べたいと思います。
まずは研究ですから、当然ですね。特に、教授の名前で選んだ側面はあります。
英語教育という分野は、実践系と研究系の大学院があるのですが、私は研究系がいいな、と思いました。また、言語教育は言語学ベースのアプローチと教育学系大学院と2つあるのですが、私は言語学を専攻していたので、言語学が強いところ、というのもイメージの中にありました。
当たり前ですが、出願資格を満たせていなければ出願できません。教育系大学院では、教員経験を出願資格に含むところもあり、そういうところは当然候補から外れていきます。
コロンビア大学に教育系大学院があるのですが、そこは2年以上の経験が求められるため、大学名にあこがれながらも受けられませんでした。
アイビーリーグとかUCとか、やはりそういうところに行きたいという思いはありました。ハーバード大学も言語学があるということで、一時調べていました。
生徒には「学歴で大学を選ぶと失敗する」と言いつつも、自分の場合は、その志向があったことは否めません。
今選ぶとしても、いや、今選ぶならなおさら、ネームバリューは気にすると思います。
大都市まで行かなくてもいいのですが、勉強をしに行く身として、できるだけ生活に不便を感じない環境が良いと思っていました。
なので、最終的に出願をした5大学は、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ハワイ、トロント、ワシントンD.C.という地域にある大学です。インディアナ、アリゾナなどもありましたが、あえてそこにはひかれなかったです。
いきなり現実です。でも、最大のハードルです。ここは関家の掟もありました(後ほどで話します)。
実際、出願は未遂も含めると6大学出しましたが、上位3つまでしか財政的に行ける大学はありませんでした。