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アクティブラーニングのモデル

アクティブラーニングというトレンドの裏で思うこと

2015年はアクティブラーニングという言葉が教育界を席巻しました。どこに行ってもアクティブラーニングと叫ばれ、いろいろなところで話題になっています。

このアクティブラーニングは一気に過熱しました。一気に加熱しすぎて、やはり言葉だけが浮いてしまっている感があります。アクティブラーニング、、、乱立しすぎていませんか。今やトレンドであり、気軽に使われる言葉ですが、その説明を問われると、おそらくほとんどの方が言葉に詰まってしまうのではないでしょうか。

みなさんは、どんな意味でこの言葉を使っていますか。

ある人は「コミュニカティブな授業」という意味で使っているかもしれません。ディスカッションが入れば、アクティブラーニングなわけです。また、ある人は「チーム型の授業」をそう呼ぶかもしれません。グループワーク、ペアワークを組み入れればアクティブラーニングなのです。また、ほかの人は「双方向型・対話型の授業」をアクティブラーニングと呼ぶでしょう。教員が生徒に問いを投げかけ、生徒が何か話せば、アクティブラーニングとなってしまうわけです。

従来のチョーク・アンド・トークと呼ばれる一方通行・座学中心の授業から脱却し、生徒参加を促そうという意味では、もちろん、これらすべてアクティブラーニングとして価値があります。日本の教育では、知識偏重と座学偏重が極端だったため、このような動きは何はともあれ歓迎すべきです。

しかし、これだけでアクティブラーニングを語るにはお粗末な気がします。アクティブララーニング゙は「コミュニカティブ」「グループワーク」「対話」といったような言葉の代用として表れただけなのでしょうか。

どこかアクティブラーニングの本質が置き去りにされている気がします。やはりアクティブラーニングが注目を浴びた背景を再認識し、前ページで述べた社会と教育のパラダイムシフトというコンテクストに立ち戻り、本質を考えていく必要があるのではないでしょうか。要はパラダイムシフトが起きたから、アクティブラーニングが表出してきたということです。

アクティブラーニングの2次元モデル

ということで、1つのモデルを提示します。

数学のようにX軸、Y軸をイメージしてください。

X
軸は学習形態です。上で記した「コミュニケーション」「チーム学習」「対話型」など、これらは学習の形態、学習の行われ方なので、この軸に属します。おそらく、世間一般で気軽に言われるアクティブラーニングはこの軸が焦点になっています。授業の風景や見た目、生徒の発話量でわかるので、この軸はとても分かりやすいですね。

しかし、アクティブラーニングは1次元ではありません。

ではY軸は何でしょうか。これは思考の軸です。どのような思考を求めるのかということです。思考の深さと言いたいところですが、数学的にY軸は上に向かっていくので、思考レベルという言い方に置き換えます。この軸は目に見てわかるものではないので、分かりにくい部分がありますが、とても重要な軸です。

思考レベルについては、次のページで例題をもって示します。Y軸=思考という視点で読んでいただければ、より分かりやすくイメージを理解していただけるかと思います。


このモデルをもとにアクティブラーニングを定義すると、
「学習形態をアクティブにし、同時に思考をアクティブにする学習方法」となります。アクティブラーニングは2次元だということです。

実は、私は、2次元ではなく、3次元、つまりZ軸があるのでは、となんとなく考えています。X軸が協働、Y軸が思考、Z軸は、、、現在、まだ秘密です(語るレベルではありません)。

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