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課題解決プログラムのモデル

課題解決のモデル

SSHの登場、アクティブラーニングの流行の中で、課題解決力というのが大きく注目を浴びることになりました。今では課題解決にとどまらず課題設定ということも言われるようになりました。ここでは、その本質と実践論に迫ってみます。

課題解決と言っても、最初から生徒に「○○について議論しなさい」と放り投げれば良いというわけではありません。それだけで議論ができる生徒はそういないでしょう。まずは課題解決に対する思考や観点を育て、根付かせていくことが必要です。そのためにも課題解決のモデルやプロセスを生徒に教えて、それを意識させながら、少しずつトレーニングを生むことが大切です。

よくある活動として、課題に対する5W1Hを分析していくというものがありますが、実は課題解決においてキーとなるのはWhyHowです。まず「課題は何か」というWhatを探らなくてはいけません。簡単に言うと課題設定ということになります。そして、それに付随するWhy「なぜ」、How「どのように」を探求していきます。

もちろんその他のWhereWhenなども分析すべき要素です。しかし、それはあくまでも補助的変数と言えます(異文化理解、グローバル社会課題などでは、Whereが特に文化考察の点から重要になりますが)。

またWhoというのは、とても重要な要素で、誰に対して価値がある課題解決なのかという設定です。例えば、先進国で通じる課題解決手法が必ずしも発展途上国で通じなかったり、同じ価値観を共有できなかったりというケースがありますが、それはWhoが不在の課題解決ということです。

そこで、私が意識しているモデルが以下のものです。私もこれまでに課題解決プログラムを作ってきましたが、いつも意識しているのはこのモデルで、参考になればと思います。

フロントシフトとバックシフト

ポイントは後(過去)と前(未来)の2つのベクトルがあることです。私はこれをバックシフトとフロントシフトと呼んでいます。この2つのシフトを理解させ、重要変数のWHYHOWを探求していくことが課題解決の肝になります。

課題から遡って
「なぜ、どのようにその課題が生じたのか」という課題分析と、未来志向で「どのように解決し、なぜそのように解決するのか」という解決策、ひいては「どのような価値を付与できるか」という探求が求められるのです。

次のページでは、課題解決のステップを例を使いながら見ていきます。

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