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女子教育へのミッション

女子 × グローバル

「まさか」の女子校に就職し、女子教育の魅力にどんどんはまっていった私ですが、それが「面白い、楽しい」だけでなく、「ミッション」へと変わったきっかけは、やはりグローバル教育に携わったことでした。

そこで私が目にしたこと、それは「女子」と「グローバル」の化学変化でした。

抜群のコミュニケーション能力、繊細な異文化対応力、ビジュアル思考的なアイデア、、、女子の特性がグローバルというコンテクストにおいて最高に引き出され、輝くのです。

1つの衝撃は模擬国連でした。女子が国際会議をリードしていく姿があったのです。リーダーシップでも女子はその場の雰囲気を変える力を持っていました。

グローバルプロジェクトなどでディスカッションをしていても、意見がどんどん出てくるし、女子の視点やセンスに寄るものも多く、面白い。ある意味、男子ほど現実主義じゃないから、ロジックに書けるところは目をつむるとしても、アイデアの幅も広い。

プレゼンテーションの素質は抜群で、やはり人を惹きつける魅力が本来女子には備わっていると感じる。そして、彼女たちが何よりもいきいきしている。

女子はもともと言語や国際に関心が高く、その分野での能力が高いことは十分予想していましたが、予想以上にグローバルが女子にはまる。「グローバル」は意外と女子の力を引き出すための土俵ではないか、という気にもなってきます。

まさにグローバルというコンテクストで、彼女たちの力がどんどん引き出されていく感覚だったのです。

変な例えですが、普通の食材と思っていたものが、グローバルという水をかけたら、実はとても優良な食材で、時には幻の食材にも変化する、という感じでしょうか。この食材の良さをしっかり引き出せば、すごい料理ができるぞ、って。

本当に授業が楽しかった。同時に、大きな責任とプレッシャーを感じました。そして、「この可能性をしっかりと引き出してあげることが自分の責務なんだ」と言い聞かせながら、グローバル教育のデザインを描き、プログラム運営に従事していたわけです。

女子の力が世界を変える

今、世の中は「人材」の時代です。

「グローバル人材」がキーワードとして叫ばれ、さらに日本国内では少子高齢化による人材不足が課題となっています。

教育界も「グローバル人材の育成」を合言葉に、スーパーグローバルハイスクールの新設や21世紀型教育をはじめとした教育改革が話題になります。

その中で、私がいつも思うこと、それが女子教育の責務です。

私はこれまで女子の圧倒的な力と可能性を目の当たりにしてきました。そんな私だからこそ、この彼女たちの力をもっと引き出し、もっと活用することが今後の日本社会の一大課題だと感じています。

「これからは女子の時代」、、、私はことあるごとにそう言っています。

しかし、世の中は、まだまだ女子の力が引き出せていない。まだまだ女子の可能性に気づいていない。

人口の約半分は女性です。このマンパワーならぬ、ウーマンパワーをしっかりと育て、実らせることで世界が変わる、そう信じています。

そのためにも女性がもっといきいきと社会参画でき、その参画を男性も一緒になって支える社会の形成が必要です。

これまでのキャリアウーマンみたいに、男性と同じ土俵に立ってガツガツやっていかなくては生き残れない世界ではなくて、男性も女性も安心して家庭を持て、子供を育てられ、そしてそれぞれの特性を生かして充実した社会参画、社会貢献ができる、そんな社会であってほしいと思います。

私は自分の生徒たちにずっとこのことを伝えてきたつもりです。彼女たちが世の中を変える第一歩になってくれるのではと期待しています。彼女たちならできるでしょう。

そして、私自身も、教員として、夫として、娘を持つ父として、そのような社会作りに貢献できるようにアクションを起こしていきたいと思っています。

グローバルスタディーズの生徒たち

私のグローバル教育の転機を語る上で、外せないのがやはりグローバルスタディーズクラス(GSC)の生徒たちです。

彼女たちがいたからこそ、今の自分があるし、女子教育へのミッションも生まれてきたのです。

グローバルキャリア、イングリッシュセミナー、模擬国連、、、様々な場面を通じて、生徒たちと「グローバル」について議論したり、プロジェクトを作り上げたりしましたが、彼女たちの生き生きとした目、圧倒的なパワー、新鮮なアイデア、、、それらすべてに女子の潜在能力と可能性をしびれるほどに実感じました。

彼女たちのエネルギーはすさまじかった。こちらも本気でぶつからないと押されそうになり、負けてたまるかと、ぶつかりに行っていました。

彼女たちから多くの刺激を受けたし、私もそれに負けないほど多くの刺激を与えられたと思っています。

つい先日、GSC卒業生からメールをもらいました。彼女は今、アメリカの大学に1年間留学をしているのですが、「最も影響を受けた先生に手紙を書く」という課題で私を選んで、エッセイを書いてくれたのです。そのエッセイが私に届き、少し恥ずかしさもありましたが、それを読ませていただきました。

その手紙は最後にこんなことが書かれています。

「関先生のエネルギーに刺激を受け、私も人に影響を与え、未来を輝かせる教師になりたいと思うようになりました。教えてください、どこからそのエネルギーは生まれてくるのでしょうか」と。

とても嬉しいメッセージでした。そして、彼女たちの成長に少し影響を与えられたことがこれまた嬉しいです。

少しは女子教育のミッションを果たせたのかな。

メッセージ: GSCの生徒と卒業生へ

私が実践女子を去って2年、先日、GSCが廃止されることを知りました。

名前やクラスの存在はなくなってしまうけど、君たちが作ってきた道は確実に形として残っています。そして君たちはこれからの未来のエネルギーであり、可能性そのものです。自分の力を信じて、GSC生として誇りを持って羽ばたいてほしいと願っています。

本当に君たちの可能性は果てしない、そう信じています。そして、しっかり世界と未来を語り、小さくてもアクションを起こせる人間になってほしい。

これからもMAXは君たちを応援をします。I’m always proud of you.

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