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学校が抱える4つのハードル

ここでは、「なぜ海外進学は難しいのか」ということを、学校側の視点と生徒本人・家庭の視点から考えていきます。



まず、学校の抱える4つのハードルについて見ていきましょう。学校として海外進学に取り組むということは、要は「これらの4つのハードルを低くしていくこと」と同義だと思ってください。

学校のマインド

そもそもの前提として海外進学を学校が取り組もう、輩出していきたいと思っているのかどうか、ということです。積極的に取り組んでいるところもあれば、言葉だけのところもありますし、中には国内進学しか視野にない、という学校もあるでしょう。まず学校として「海外進学マインド」を確立することが必要です。

マインドレベルを図る1つの指標があります。管理職はもちろんですが、教務や進路指導部がどのように海外進学をとらえているのかということです。

これらの部署は、従来、教科指導や入試を統括してきたわけですが、往々にして海外進学に否定的だったりします。「自分たちで進路や教科を仕切りたい、海外進学はやったことないから他のやり方を入れたくない」という既得権的・先輩特許的な考え方すら見受けられる場合もあります。単純に言えば、自分たちの主導で思い通りにやりたい、だから国内入試、しかも旧来の入試偏重、ということです。

「まずは国内・・・」というセリフが出たら、怪しいと思ってください。たぶん、海外進学どころか、新しい入試改革に向けた教育改革、21世紀型教育にも対応できません。

一方で、時代の変化を理解し、グローバル教育、海外進学も勉強し、専門部署と協力して進めていきたいと考えてくれる人たちもいます。どちらの姿勢なのか、、、そのような教務、進路のあり方というのがその学校の成熟度を表します。

進学指導システム

これは、海外進学希望者のニーズに個別に対応するシステムがあるかどうかということです。せっかく海外進学を目指しても、授業も進路の相談やガイダンスも国内しか対応していないとなると、結局は個人で進めるしかありません。

それ以前に、もっとも根本的なこととして、
海外進学を相談できる担当教員がいるかどうかということです。スタッフがいないのに、サポートすることはできないですよね。マイノリティであっても、進路保障として学校がバックアップするのかどうか、ということが問われます。

そして、このようなシステムを作るときにやはり、管理職、教務、進路、英語科の積極的姿勢がなくては、国内進学オンリーから脱却することができません。海外進学を推進すると口では言えても、いろいろな意味で、海外の個別対応をするというのはとてもハードルの高いことなのです。

指導する教員

これが一番のハードルです。いくら学校が海外進学に取り組もうと思っても、人材がいないというのが悩みのタネです。がっつり海外進学に対応できる教員は全国探しても「ほんの一握り」というのが正直な現状でしょう。実際に私が知る限り、自前で海外進学を推し進められる高校は、、、全国で10校満たないでしょうね。

留学経験を持つ教員は増えてきましたが、それだけで海外進学指導ができるわけではありません。
いかにその指導ができる教員を増やしていくのか、これが海外進学における最大の課題と言ってよいでしょう。

ネットワーク

海外進学は、学校の中だけで完結しません。国内進学もそうですよね。進学先の大学はもちろんのこと、いろいろな業者との連携があって、はじめて進路指導というものは成立するのです。

しかし海外進学になると、進路部もネットワークを持っていませんし、あるとしてもかなり限定的なものになってしまいます。情報もどこにあるのかわからず、ノウハウもなく、確認もできないままなんとなく指導だけはしなくてはいけない、という事態に陥りがちです。

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