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いつ留学するのか 学部留学のメリット・デメリット

メリット

@ 自分を変える、成長するのに一番

若い時期に正規学生として価値観の違う人々とぶつかり、苦楽をともにしながら、4年間を過ごすということは「勉強する」以上の意味を持っています。刺激と苦労を買い、自らの価値観に変化を求め、人間的な成長をするわけです。

A 語学力の向上に最適

語学の習得という点で言えば、留学は若いほうがやはり有益です。若いほうが語学に対する柔軟性というものがあるのでしょうね。

学部留学は、34年間、学問でも、生活でもどっぷりその環境に浸かり、とことんその言語と向き合っていかなくてはならず、その苦しい思いをした上での学位習得です。大学院留学と比べて、生の英語に触れ、吸収する素地が圧倒的に高く、図らずとも語学力が向上していきます。

B 学問性が深まる

1年の体験的な留学ではありません。正規の学生として、正規カリキュラムの中で学び、一般教養から専門まで学んでいきます。そう意味では、留学の中に確固とした「学問性」があります。語学研修的ではなく、教養・学問のための4年間になります。

また、大学院より教養的な意味合いが強く、広い分野を学べるということもメリットです。

C アカデミック力が身につく

これは上記の「学問性が深まる」とは別の意味です。海外の学部で勉強していればリサーチ能力、クリティカルシンキング、ディスカッションスキル、ライティングスキルなど、いわゆる大学の授業で必要とされるアカデミックスキルが身に付きます。

日本の大学でも最近は力を入れていますが、やはり欧米のものはレベルが高く、また、英語でもこれらがしっかりできるようになるということに価値があります。

D 色々な友好関係が深まる

一緒に授業を受け、苦労をし、休日は一緒に遊びに出かけ、、、そんな生活を4年間もしたら、当然、友好も深くなります。しかも、日本よりも多文化の学生が多く、まさに「色々な」友人ができます。日本人の友人、現地の友人、そして他国から来た留学生の友人、、、そのバラエティーは日本にいたら絶対に得られません。

その中でも、他国から来た留学生、特にアジアの留学生と触れ合う機会が多くあるはずです。国は違えども、一緒に留学生として苦労する仲間であり、彼らとの交流はかけがえのないものです。

また日本からの留学生も本当に大切です。留学に来たのだから「日本人より外国人と仲良くなりたい」と考える人もいるでしょうし、日本人で固まらないというのは重要な心がけです。一方で、留学という苦しみの中、気心の知れた日本人の友人の存在は本当に大切です。留学に来ている日本人同士だから、分かり合える、支えあえる何かがあるんですね。

デメリット

@ 専門性が低い

大学院と異なり、学部は専門と言えども、教養と呼ばれるレベルです。特に、アメリカ系の大学では、2年生までは学部を決めずに教養として幅広い分野を学び、3年から専攻を絞っていきます。また、アメリカは実学傾向が強く、専門性は低くなります

A キャリアとして弱い

「専門性が低い」ということと直結しますが、学部の勉強はまだキャリアとして認められません。本格的に専門と認められるのは大学院レベルです。

B 入学難易度が高い、国によって制度的に直接入学が困難

学部留学は相対的に入学のハードルが高いと言えます。もちろん求められるTOEFLの条件や評定平均は大学院のほうが高くなりますが、学部では入れないような有名大学でも大学院であれば入れる可能性が高まります。

例えば、カリフォルニア大学、通称UCと呼ばれる大学(UCLA、UCバークレー、など)がありますが、そこに学部で直接入学するのは相当難しいですが、大学院の場合はその入学難易度が1つか2つほど下がる感覚で、まったく無理という感じではありません。

イギリスやオーストラリアの場合は、制度として学部留学はまずファンデーションコースに入るのが基本で、直接入学は一般的に受け付けられません。しかし、例えばロンドン大学のような有名校でも、院で行くのは不可能ではありません。私の友人にもそういう進学をした人がいます。

C 出願エージェントに頼らなくてはならない

高校生の場合、本人に相当英語力とスキルがあり、さらに保護者が海外大学を熟知していない限り、自力で勉強し、出願するということは考えられません。当然、留学エージェントにサポートをしてもらうわけで、余計なコストがかかります。

エージェントに頼るのは悪いことではありませんし、大きなサポートになります。しかし、「自力でやる」という選択肢がないことはそれ自体がデメリットでもあります。

加えて、エージェントのクオリティーにはばらつきがあり、またエージェントによって指導のスタンスや方向性は様々です。自分に合うエージェントを選びたいものですが、それはそれで簡単ではありません。

C コストが高い

学費、生活費は海外進学の1つの壁ですよね。単純に4年間と考えると、高いですよね。せっかく入学をもらっても、コストが理由で進学を諦めたり、4年間の途中で留学を切り上げざるを得ない、というケースもあります。

D 教授と生徒の距離が遠い

総合大学とか研究大学と言われるような大学院を持っている大きな大学では、学部の授業は教授ではなく、TA(ティーチングアシスタント)という院生が教えることもあります。特に教養科目はや基礎科目は200人、300人ぐらいの大きな教室で教授がマイクを使って教え、TAがフォローに入るというような形式も一般的です。

しかし、これも場合によりけりです。私の行っていた大学院は、アメリカの一般的な州立大学でしたが、TESOL(英語教授法)では有名な大学で、その分野の有名人が顔を連ねていました。私が敬愛しまくっていた指導教授もその分野では世界的な大御所でしたが、彼は大学院の授業だけでなく、なんと学部の授業どころかESL(留学生向けの英語の授業)を持っていたんですね。TAとして、私もその授業に入っていたのですが、授業はその教授がちゃんとメインで教えていました。生徒たちが普通のおじいちゃんと思っている先生が、実はそういう人だったりしたのです。

Faculty Student Ratio1人当たりの教授に対する学生の比率)というものがあるのですが、学部では50を超えることもあります。特に州立は多いです。逆にリベラルアーツカレッジは、生徒との距離を縮め、アットホームな雰囲気できめ細かく指導をすることを大切にしています。


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