まずは、問題です。以下の国にはどのぐらい大学があるでしょうか。
@日本
A台湾
Bアメリカ
Cカナダ
Dイギリス
Eアイルランド
Fオーストラリア
Gニュージーランド
では、シンキングタイムです♪
でも、ネットなので、すぐに答えが出ます。答えは以下の通りです(大体の数字です)。
@日本 = 780校
A台湾 = 190校
Bアメリカ=4年制2700校、2年制1700校
Cカナダ=4年制90校、2年制200校
Dイギリス=約100校
Eアイルランド=7校
Fオーストラリア41校
Gニュージーランド=8校
日本に780も大学あることが驚きですが、一方ひと桁しかない国があるというのも驚きです。
アメリカの3900校(非認可を合わせると4400校と言われています)は圧倒的な数字です。日本も大学数が多い国に入ります。台湾も同様です。九州と同じぐらいの領土に190もの大学が存在しているわけですね。
いわゆる「大学の群雄割拠」、もっと悪く言えば「大学乱立」です。
つまり、「誰でも大学に行ける」ということですよね。「大学全入時代」というやつです。
よく言えば、高等教育が普及しており、教育の機会が広く確保されているということです。しかし、逆に悪く言えば、「大学の数が多すぎて、質が担保できない」ということがしばしば問題視されます。つまり、大学の質がピンキリなのです。
日本でも文科省が大学教育の質を疑問視し、公表するといったニュースがあるように問題となっていますが、大学乱立には「高等教育の質低下」というツケが返ってきます。
一方、カナダは90しか4年制大学がありません。イギリスについては、昔からある大学は50校、さらに規制緩和でポリテクニックと言われる専門学校から昇格したものが50校ほどで、合わせても100校です。オーストラリアは41校です。
人口を加味して比較してみましょう。ざっくりとした計算ですが。人口100万人あたりの大学の数を調べてみました。
下の表のとおり、アメリカ、台湾、日本は6以上となり、その他の国を大きく引き離しています。アメリカはイギリスと比べて、人口ベースで比較すると5.5倍も大学が存在することになります。2年制も入れたら8倍近い数値になるわけです。
大学の数 | 人口(万人) | 100万人あたりの大学数 | |
アメリカ | 2700 | 32,000 | 8.5 |
台湾 | 190 | 2,300 | 8.2 |
日本 | 780 | 13,000 | 6.0 |
カナダ |
90 | 3,500 | 2.6 |
オーストラリア | 41 | 2,400 | 1.7 |
ニュージーランド | 8 | 450 | 1.7 |
イギリス | 100 | 6,500 | 1.5 |
アイルランド | 7 | 470 | 1.5 |
では、大学の数が少ないということのメリットは何か。
大学教育の質が確保されるということです。数が少ない分、学生層も一定ライン確保されているということと、国や州による教育のガバナンスもしやすいと言えます。
知名度の高い大学、ランキングの高い大学=あなたの留学にとっていい大学、というわけではありません。そもそも私たちの知っている大学はほんの一握りで、他にも質の高い大学はたくさんあります。
カナダ、オーストラリアなどは、質の担保される大学がたくさんあります。アメリカも、数が多い分、質の低い大学もたくさんありますが、一方で、名前はあまり知られていなくても、質の高い大学もまだまだあります。
もちろんここで述べているような大学の数教育とクオリティの関係性は全体を見たときの話であり、それを信じ切って考えることも得策ではありません。
ぜひいろいろ自分で調べて、学校選びを進めてほしいと思います。