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グローバル教育を定義する

「グローバル=英語、国際交流」を超えて

グローバル時代、グローバル人材については、別のページで議論をしてきましたが、いよいよグローバル教育の中身に入っていきたいと思います。

グローバル教育はシンプルに言うと「これからのグローバル時代を主体的に活躍できる人材を育成すること」と言えるでしょう。当たり前ですね。

一般的に「グローバル=英語、国際交流」という図式でとらえがちですが、必ずしもそれだけではありません。もちろん、特に中高のグローバル教育の中で、この2つはかけがえのない要素ですし、これらが占める割合は非常に高いです。

しかし、
「これからの時代に求められる人材育成」という視点で考えれば、他にも以下のようなエッセンスもすべてグローバル教育の中に含まれてきます。

・ 課題解決型教育
・ アクティブラーニング
・ クリティカルシンキング、デザイン思考の育成
・ 発信型教育、、プレゼンテーション能力の育成
・ ICT教育
・ 高大連携、産学連携によるキャリア教育
・ グローバルな社会問題に目を向けた意識・素養の育成
・ コミュニケーション能力、、対話力の育成
・ 英語教育の根本的改革
・ 評価法の改革

少し難しく言い換えます。グローバル教育とは「変動の激しいこれからの時代に求められる人材を再定義して、教育を変容させていくこと」にほかならなりません。ちょっと格好よく言えば、「未来を担う人材の育成」といった夢とビジョンを持った魅力ある教育改革です。

そういう意味で、「リベラルアーツ教育」「新しいマインド、知識体系、スキル、思考の育成」というより広い視点に立ち、「英語、国際」だけに限定されることなく、上記のようなエッセンスを取り入れ、教育を変えていくことが重要になります。

もちろん、1つの部署や教科だけで行うものではなく、部署、教科の枠を超えた共通の課題として学校全体が取り組んでいく必要があります。


グローバルという紛れもない時代の変化を受け止める

一方で、グローバルがあまりにも広く解釈されている現状もあります。グローバル教育というからには、やはり「グローバル」というコンテクストで行われ、生徒が世界にダイレクトにつながらなくてはいけません。

中には、「グローバル」という言葉に抵抗感を持つ方も多く、「何でもかんでもグローバルって言うなよ」と快く思わない方もいるでしょう。しかし、グローバル化は好き嫌いの問題でも、個人の感情の問題でもないのです。

有無を言わさず、1つのトレンドとしてグローバルという言葉が今後のキーワードになり、その意味が問われるのは間違いありません。グローバル教育のビジョン、位置づけをどのようにするのかは学内で共通理解を持っておく必要があります。

そして重要なのは言葉ではなく、「グローバル」という紛れもない時代の変化に対応して、教育を変えていかなくてはならないという意識が共有できるかどうかです。


教育はどこか普遍的なものという感覚があり、「人間としての基礎学力、基礎人間力を養う」「人と心の真理を探求する」など、時代が変わっても変えてはいけない尊い理念があります。しかし、他方で、教育は決して聖域ではなく、社会が変わっていく以上、教育にも常に変化を求めていく姿勢も求められると思います。


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