模擬国連では、各国の国益、立場を基に政策を立案するわけですが、それらをまとめる用紙をポジションペーパー(PP)と呼びます。
立場だけでなく政策も含まれることからPPP(Position & Policy Paper)と呼ばれることも多くありますが、簡略化のために本冊子ではPPで統一します)。
@ リサーチの方向性を定める A 各国の政策を全体で共有する B 会議運営側がおおよその会議の流れを確認するため |
(2017年かえつ有明大会・夏の陣のPPフォーマット)
全ての参加大使はこのようなPPの作成が課されます。
BGが教科書ならば、PPは会議に向けた宿題とでも言いましょうか。書式は参加国共通でワークシート形式のものもあれば文章(論述)形式のものもあります。
自国の一般情報に加え、議題に関する自国の状況、影響、そして自分たちが強調する論点、政策などを書き、フロントに提出します。
多くの場合、事前にすべての参加国のPPが公表され、どの国がどのような立場、政策を考えているのかということが共有されます。全ての政策や作戦が包み隠さず公表されてしまうと交渉に支障が出るので、一部分のみ共有されるのが一般的です。
上のフォーマットでは、「★の部分のみ全体で共有します」という明示のもと、担当国の立場と政策のトップラインのみ共有されることになっていました。
そして、以下はその共有資料で、私たちが「PPまとめ」と呼ぶものです。この時は会議監督からのフィードバックを合わせ、54か国分で計35ページもの資料になりました。
(2017年かえつ有明大会・夏の陣のPPまとめ資料)
一方でPPは共有されない大会もあります。
以前に「PPが共有されなければ、他国の立場や政策が分かりませんが、どうしたらよいのでしょうか」という質問をいただいたことがありますが、そんなことはありません。
他国の国益、政策はリサーチすれば分かりますし、強いペアは自国だけでなく当然のように他国のこともリサーチしています。「PPが共有されなければ分からない」「PP見て初めて他国の政策を知る」程度では本番で何もできません。
あくまでもPP共有は政策や戦略の確認と修正のためです。それまでにしっかりリサーチをしていた大使はPP共有でさらに政策議論を深めてがっつりと本番に臨むことができます。
@ 国名、国旗を入れる。 A 最も訴えたい論点や主張を絞り、見やすく分かりやすくまとめる |