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修正案(アメンドメント)

アメンドメントとコンバイン

模擬国連では、DRを提出したのち、さらにそれをより良いものに修正していくという作業が入ります。その修正案をAmendment(アメンド)と呼びます。

しかし、ただ単に手直しするのではありません。目標は投票で過半数の同意が得ることですし、できるだけ賛同してくれる国が増えれば増えるほどそのDRの価値は高くなっていきます。

そのためには、他のDRグループと共通点を見つけて、複数のDRをくっつけ、グループを大きくしていくことが必要になってきます。これをコンバイン(Combine)と言います。

そして、究極的には全てのDRを1つにまとめてコンセンサス(満場一致の採択)に至るように交渉していきます。(コンセンサスについては次のページを参照してください。)

フレンドリーアメンドメントとアンフレンドリーアメンドメント

アメンドメントにはフレンドリー(友好的)とアンフレンドリー(非友好的)という2種類があります。

中高生の大会では分裂の混乱を防ぐため、対立関係の中で提出されるアンフレンドリーを認めないルールが基本です。

つまり、スポンサー間で溝を生じさせるような修正案は想定しておらず、修正案を出す以上は、全スポンサーが合意できる内容にしていかなくてはいけませんし、全スポンサー国が古いDRの取り下げに応じないといけないのです。

● フレンドリーアメンドメント

古いDRをスポンサーが全員一致で取り下げ、それに代わる新しいアメンドメントを全員一致で提出するというものです。

みんなが友好的にDR取り下げに賛成し、友好的に提出するアメンドという意味ですね。このケースでは、古いDRが新しいアメンドと対立して同じ議論のテーブルに残る必要がありません。

逆に言えば、新しいアメンドを提出するには古いDRが取り下げられることが条件です。

ですから、もしどこかの国が古いDRの取り下げに反対したら、その時点でアメンドメントを提出することができません。アメンドを提出する前に、全参加国の合意をしっかり確認しておかなくては、1か国の反対によってアメンドが廃案になることもありえます。


● アンフレンドリーアメンドメント



古いDRの取り下げに全体の合意がない中で出されてしまうアメンドメントです。つまり、全スポンサー国が友好的に賛同した修正案ではない、ということですね。

これは、交渉の過程でスポンサー国同士で分裂してしまうことによって起こります。アメンド・コンバインの段階で加入してきた国の影響で、アメンドのベクトルがもともとのDRから大幅に変更されてしまったということも考えられます。

この場合、古いDRを支持するスポンサーとアメンドを支持するスポンサーが分かれ、2つの案が対立していることになります。古いDRも取り下げられずに議場に残ったままになり、古いDRとアメンドがともにテーブルに乗っかっている状態です。

投票の際、一方が採択された時点で、もう一方は否決されたとみなされて廃案になります。


アメンド提出の手続き(フレンドリーの場合)

提出国は、古いDRの撤回およびアメンドメント提出のモーションを出します。

文書の提出、撤回に関するモーションは自動受理なので、そのモーションを出した時点で投票に付すことなく、作業が進みます。

1か国でも反対があればDRの撤回もアメンドの提出もできませんので、議長はスポンサー国を1つずつ呼び上げ、「アメンド提出に同意するのか」を聞いていき、大使は「YES(賛同)」「NO(反対)」のいずれかで意思表示をします。

全てのスポンサー国が同意していればアメンドの提出が認められ、議場に配布されます。

アンフレンドリーが認められていないので、アメンド提出に賛同したということは、古いDRの取り下げにも賛同したということになります。一方で、もし1か国でもNOを表明した場合、アメンドはその時点で認められずに、古いDRがそのまま残ることになります。


● 2つのDRのコンバインによるアメンドの提出とDRの撤回

2つのDRがコンバインしてアメンドを出した場合、形式上はベースとなった片方のDRにもう1方のスポンサーが吸収されることになります。

DR1
をベースにした場合、DR1の修正案が「DR1/Rev.1」という名称で議場に提出されます。コンバインされたDR2は形の上では手つかずの状態でまだ残っていることになりますが、このDR2も撤回しなくてはいけません。


@ DR1のアメンドを提出

A DR1のスポンサー国に1か国ずつアメンド提出の意思確認をする
 全スポンサー国が「YES」であればフレンドリーと認められる
B DR2のスポンサー国に1か国ずつDR2撤回の意思確認をする。
→ 全スポンサー国が撤回に同意したら、修正案の提出が認められ、議場に配布される。


● 1つのDRの単体アメンドの提出とDRの撤回

1つのDRがコンバインをせずに、修正案を出すことも可能です。また、他のWPもしくは会議難民を吸収して修正案を出すこともあります。

これらのケースでは、DRはもともと1つしかありませんので、実質的にはそのアメンドの提出とフレンドリーの確認だけを行います。新規に加入したスポンサー国の承諾はいりません。


@ DR3のアメンドを提出
A DR3のスポンサー国に1か国ずつアメンド提出の意思確認をする
→ 全スポンサー国が「YES」であればフレンドリーと認められ、修正案が正 式に議場に配布される。


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