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会議後半の動き

アメンド、コンバインに向けて 

後半戦は、修正案(アメンド)の提出です。投票で過半数の同意、できればコンセンサスを目指して交渉が進んでいきます。

ここでは、DRを実効性、具体性を担保しつつ、より多くの国が賛同できるものに向上させていくというクオリティ作業(質の作業)と単純にスポンサーの国を増やして、グループを大きくするというクオンティティ作業(数の作業)が必要になります。



なぜスポンサー数が多いほうが良いのか、なぜより大きいグループの方が良いのか。中には「グループ大きくなくてもいいじゃない」と疑問に思うかもしれませんが、それは、DR採択が投票によって行われるからです。

最低でも過半数の賛成票がほしいですし、より実効性のあるものにするには、より多くの国が賛同してくれている決議にして、国際社会の一致した声にしたいわけです。

自国のDRには必ず賛成票を投じなくてはいけませんので、DRグループが大きくなればなるほど、賛成票が増えていき、結果、採択へ近づいていくのです。

そこで、利害の近い他のDRグループと交渉し、コンバインを試みます。しかし、これはなかなか簡単ではありません。

DR
提出に向けた第1段階のグループ形成は、利害の一致が分かりやすく、共通項も見つけやすかったのですが、しかし、アメンドに向けた第2段階は、そもそも利害が一致しないから異なるグループを形成し、異なるDRを出していた国々と交渉するわけです。

1段階では磁石のS極とN極をくっつけていくかのように一気にグループ形成ができたところもあったかもしれませんが、第2段階では場合によってはS極同士をくっつけようという試みで、難易度が上がっていきます。

もちろん主義主張が違うので簡単にはくっつけません。かといって、過半数を取れなければせっかくのDRは廃案で、強硬な姿勢を貫くことは最終的な利益にはなりません。

そのジレンマの中、延々と交渉が進んでいくのです。第1段階で十分妥協したはずなのに、コンバインでさらに譲歩を重ねていくことになります。

最初に期待していたDRと比べると、自分たちのWinは一粒、二粒しか入っていないかもしれない。でも、その小さなWinをいかに確保するのか、そして妥協の中でも自分たちのボトムラインは死守するという交渉になっていきます。

コンバインの意義

コンバインは必ずしも「ありき」ではないですよね。あくまでもより良いDRを作るためのプロセスの1つです。まずはしっかり国際平和と自国の利益が守れたDRを提出することが最重要です。

2011年の全日大会はかなり異様なものでしたが、5つのDRが出て、どこもコンバインすることなく投票に移りました。それでも喧々諤々と最後まで議論し、グループ内で修正していました。

もう少しコンバインに向けた調整も必要だったかもしれませんが、これも立派な会議行動です。コンバインまでは持ち込めなかったけど、その分、投票行動についての交渉を重ね、すり合わせをしていました。

複数のDRが採択されるのは好ましくありませんが、模擬国連の設定上、多少仕方ない場合があります。5つもあれば複数採択されざるを得ませんね。

確かに、多くのスポンサーを得られれば有利ですし、採択される可能性が高まります。しかし、DRを採択されることが全てのゴールではありません。

戦術として母数拡大のためのコンバインも否定はしませんが、本来、コンバインによってその決議の価値を高めていけるかどうかが問われるところです。コンバインという手続きが先行するのではなく、その本質的な部分を求めてコンバインに臨めるようにしましょう。

アメンド、コンバインという段階になると、中心となる国がますます絞られてきます。それぞれのグループの中心となる国同士が調整をしており、その他の国は蚊帳の外。座って待っているなんて光景も見られます。議論の弱肉強食を目の当たりにします。



最後の動き − 投票行動に向けて

修正案が提出されて、作業としては一段落しても、まだ交渉は続きます。

自分たちのDRが過半数を取れるように、投票を呼び掛け、また利害の反するDRには投票しないように呼びかけていくのです。選挙の「最後のお願い」みたいなものです。投票直前までギリギリの交渉が続いて行くのです。


一方で、各大使は修正案をしっかり読み込み、どのDRに賛成票、反対票を投じるのかをしっかり検討します。

もちろん、自国がスポンサーとなっているDRには賛成をしなくてはいけませんが、それ以外についても自国の利益やプライドを考慮に入れ、責任ある一票をどう投じるのか考えなくてはいけません。



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