おそらく大学に入った当初は、まだ大学院とはっきり考えていたわけではないと思います。とりあえず、「大学生活を満喫しよう」ってだけですよね。4年後の進路なんて、大学は行ったばかりの自分が考えるものではありませんでした。
でも、2つはっきりしていることがあります。
ICUに入った時には、すでに「高校の英語の教員になりたい」と思っていたこと。
そして、ICUでの4年間、「大学出てすぐに就職する」という選択肢は一度も考えなかったことです。
そこから留学にシフトしたのは、やはりICUでの勉強が理由です。もっともっと勉強したい。4年間じゃ足りない。自分の専門が言語学、言語教育をもっともっと深めたい。そう思った時に、アメリカの大学院に行こう、となったわけです。
「英語教育の最先端で勉強したいと思って、それがたまたまアメリカだった」みたいなすかしたことを言っていた気がします。
また、高校の英語教員になるので、その前に留学しておきたいという気持ちもありました。それは語学力という面でもそうですし、自分の経験値とか素地を高めたいという面からです。
1つこだわっていたことがあります。
「大学院に行くのは研究のためであって、語学のために行くのではない」ということです。
ICUでそれなりの英語を獲得してきた自信があったので、英語のために行くという語学留学的な動機は認められない自分がいました。本当は、英語力のためでもあったんでしょうが、そこは大学院留学のプライドが許さなかったんです。
大学、大学院留学する人の多くは、「やりたい学問があるから」「一番アメリカが研究が進んでいるから」とか、たいてい私と同じ雰囲気を醸し出すはずです。本当は語学留学も兼ねているのにね。
でも、みんなプライド高いですから。だから、それは暗黙の了解ということで、あまり突っ込みを入れないことです。
また、どこかで「就職活動しなくていいし」というモラトリアム的な要素も付随していたかもしれません。「就職活動しなくてラッキー」程度のね。
上で述べたことは、本音の理由です。ただ、心の奥底には、もっと根本的な本音がありました。
「海外に惚れている」、、、ただそれだけ。恋愛みたいなもんです。
そして、「海外に行く俺、かっこいい」と。
「かっこいい」なんて表現を使うのは、私も恥ずかしいですが、正直に選ぶとこの言葉が一番近いと思います。ナルシスト的というよりは、自分を追求していきたい、という感じです。海外大学院、かっこいいじゃん。
同じように、学問に対してもどうしようもない衝動がありました。海外に惚れたの当時に、言語学、言語教育学に惚れてしまったのです。将来教員になるから云々の前に、純粋に好奇心が止まらない、ワクワクするのです。
単純に言えば、私のモチベーションには、「海外に行きたい」「かっこいい自分を追求したい」「もっと勉強をしたい」という衝動が全てと言っても過言ではありません。その3つの衝動が交差した行き先がアメリカの大学院に行く、というものだったのです。
これらの衝動がある以上、他の選択肢は取れません。ある意味、海外に行くべくして行ったのです。
もう一度、人生をやり直しても、同じ選択肢を取っています。そこはタイムスリップしても無限にループするんだと確信できます。
人によって、表現は違いますが、留学する人は、私と同じような衝動を皆持っていますよね。
そこには「就職に有利」とか、そんな物質的な目的はどうでもいいんです。自分を追求したい、とにかく海外に行きたい、という衝動です。そこに夢があるのか、、、ってやつです。
もう動物的本能みたいなもので、頭で考えたり、言葉で説明したり、というレベルではないんです。でも、一方で自己実現に近い高次な欲求だったりもします。
その衝動は自分の中から湧き出てくるので、自分が存在している限り、止めようがないのです。
これって大切じゃないですか?
「海外が好き」「かっこいいから」なんて、子供染みて言えないのかもしれませんが、その単純な動機こそエネルギーの源です。
人前だとみんな優等生の答えになってしまいます。大人なのか、プライド高いのか。客観的に「なるほど」と納得することはできても、その答えに心がシンクロすることはありません。
もう一度留学を目指していたころの自分を振り返ろう。
英語、留学のことになると人が変わったように努力する、留学サイトになると、何時間でもサイトを眺めてしまう。。。
なぜそんな自分がいるのか。自分を突き動かしてきたものは何なのか。。。
このエネルギーがあるからこそできるんです。目的とか意義とかを整理していたら、このエネルギーはなくなってしまいます。保護者、教員、エージェント含めて、留学に高尚な動機を求めすぎだと感じています。
就職、将来性、、、そんな理由だけでする留学、魅力ないだろうに。まあ、それでもいいんです。やはり留学を志す人には、その表現の方法がどうあれ、心の奥底には、私と同じ衝動を持っていると思っています。そうじゃなきゃ、わざわざ行かないでしょ、海外。
まずは夢と情熱。理由はあとで育ててあげればいい。もっと夢と思いも語っていこうぜ。