大学4年の夏、ICUに来ていた留学生の友人が国に帰るのに合わせて、アメリカに行きました。
幼少期に香港に住んでいましたが、それ以来の海外です。意外に思われるかもしれませんが、私はパスポートも持っておらず、その旅行に合わせて申請をしたぐらいです。
旅行の前日、父親が不意に封筒をポンと渡してきました。中を開けたら、なんと10万円。「せっかく初めてアメリカに行くんだから、お金を惜しんで、いろいろ見られないなんてことがないように」と。。。あっけにとられたのと、うれしかったのと。おやじぃ〜!!って。
そんなバックアップに感謝し、アメリカ見聞の旅が始まりました。行き先はロサンゼルスとサンフランシスコです。ロス→サンフランシスコ→ロスと移動し、9日間の行程です。目的は9割が観光、1割が大学院の視察です。
ロスでもサンフランシスコでも、外国人留学生の友人の実家や下宿先に滞在しました。いろんなところに観光に行き、またガイドブックに載ってない地元の店にも連れて行ってもらったりしました。食事もロスでは友人の実家がホストしてくれたし、かなり格安の9日間でした。
極めつけは、ロスでメジャーリーグの試合を見たことです。
その年は、イチローがメジャーに行き、マリナーズが大躍進していた年です。私の旅行日程に合わせたかのように、ロスでマリナーズとロサンゼルス・ドジャースの交流戦があったのです。
メジャーを詳しく知らない方もいると思いますが、2つのチームはリーグが違うので、普段は対戦しません。数年に1回、交流戦という期間のみリーグの枠を超えて試合をするのです。マリナーズとドジャースの公式戦を見られるというのは本当にめったにない機会なのです。
野球少年だった私は、日本からグローブも持っていきました。イチローのユニフォーム、帽子、Tシャツも着ていきます。これは試合の前日に友人のお母さんが、サプライズプレゼントとして買ってくれました。そして、ほぼ9割ドジャースファンの中、「イチロー!」と叫んで観戦してきました。周りの観客はこんなアジア人を苦笑い半分で見守ってくれていました。最後には、大魔神佐々木も登場してくれて、これ以上なくうれしい試合を見ることができました。
(左:ハリウッドにて、右:イチローが打席で例のポーズをしているところです)
さて、旅行の目的の1割は大学院の視察です。ターゲットは、出願を考えていたUCLAとサンフランシスコです。
私が滞在させてもらった先の友人はUCLAとUCバークレーの学生だったので、その2校は散歩がてらキャンパスツアーをしてもらいました。
初めて見るアメリカの大学。しかもUCLA、UCBと言ったら州立の名門校です。生徒数は数万もいるわけで、スケールがとにかくでかい。名門校らしいたたずまいの中に、カリフォルニアらしい解放感がいいですね。そして、キャンパスに図書館と駐車場が何個もあるって、何なの〜、ってびっくりしました。
一方、サンフランシスコ州立大学ですが、、、えーと、そのー、実は、、、行っていないんです。
いや、サンフランシスコは行きました。観光もしました。友人には大学見学をしたいと最初に伝えていたのですが、いろいろ見ているうちに、「大学見る時間ないかも」となったんです。
現地の地理が分からない私には、大学までどれぐらい時間がかかるかも分かりませんし、私のことを思って色々なところに連れて行ってくれたので、無理言うこともできません。
「これでいいのか〜、俺のサンフランシスコ旅行!」という気持ちもありましたが、「楽しかったからいいか、大学見て何が変わるわけでもなし」という気持ちで相殺しました。
そして、私が日本に帰るその日、ロスの空港で搭乗口に向かう際、アメリカ旅行が終わった充実感と寂しさが混じりあったのか、よく分からないのですが、見送りに来てくれた友人の前でなぜか男泣きしてしまいました。涙って急に出るもんです。
そんなこんなで、目的の9割を占める観光は2倍増しで満喫し、1割の大学見学は半分だけ消化して、アメリカ旅行が終わりました。