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出発までの4か月 アルバイト編

バイトが、、、ない。

大学卒業後、最低限の生活費だけは稼ごうとバイト探しが始まりました。

3月までは授業も取っていたので、4月からしかできません。でも夏にはアメリカに行くので、正味3か月しかありません。その中でできるバイト、雇ってくれるところを探すのです。

まず考えたのが家庭教師です。

自分でポスター作って、駅前の銀行の掲示板に貼らせてもらいました。3か月しかないけど短期集中型でやれないかと思ったのですが、残念ながら連絡が来ませんでした。

ポスターの下の部分に切り込みいれて、連絡先を持ち帰れるようにしていたのですが、たまに銀行に寄って確認しても、全く持ち返られていませんでした。ただでさえ、個人の家庭教師では得体も知れず避けられてしまいますし、やっぱり3か月という短期だと無理なんだなーと思いました。

他にも、新聞の日曜版に入ってくる広告やバイト雑誌を見て、いくつか応募しました。時間はたっぷりあるから掛け持ち覚悟です。

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つは地元の弁当屋の配達ドライバー。長期で応募していたけど、3か月と言うことで面接を受けさせてもらいました。好感触で、その場では「ぜひ」みたいなことを言われたんですが、その後「3か月だとやっぱり難しい」と断られてしまいました。

もう1つは大手ハム工場の勤務です。24時間制の工場で深夜のシフトとなると時給も高かったです。

電車で行くような距離だったのですが、交通費ももったいないので、面接は自転車で1時間ほどかけていきました。坂がきつかったのを覚えています。結局、それも落ちてしまいます。

さらに、1つ変わり種として、マジシャンのアシスタント兼運転手というものも募集が出ていたので、電話を掛けました。

「演劇したことあるか?舞台に立てるのか?」など電話で聞かれ、「高校の時の文化祭で劇をやりました。ダンスは独学でやっています」と答えましたが、鼻で笑われながら、「あのね、うちにはね、ディズニーランドでパレード出てて、マイケルジャクソンンばりにムーンウォークできるようなアシスタントがいるんですよ」と言われて、断られました。そういう条件は広告でちゃんと出せよ!と、かちんときましたね。

親からたまに「バイト見つかったか」と電話があり、「いや、まだ」と答えると、「何やってんだ、選ばずに何でもやれ」とプレスがかかります。債権者は強い。

周りからは「3か月ということを隠して、勝手に3か月後に辞めればいい、」ということも言われましたが、うそをつくのも嫌だったんですね。

そんな感じで、アメリカの大学院受かっても、バイトは受からないという現実に直面します。

そして、落ちれば落ちるほど、時間が過ぎ、3か月あったはずの猶予も2か月、1か月半というように減っていき、ますますバイトに受かる見込みがなくなっていきます。

こうなりゃ単発バイトだ

3か月がダメとなるとあとは単発のバイトを狙うしかありません。しかも、このころになるとそこで2つ応募しました。

1つ目は千葉マリーンスタジアムの球場スタッフです。登録しておいて、都合が合うときに働くというものです。マリンスタジアムは自宅から結構遠かったのですが、天気のいい時は交通費を浮かせるために自転車で片道1時間半かけていきました。

1度、我が阪神タイガースの試合にあたり、幸運にも3塁側の阪神ベンチでファールフライの笛を吹く係になったことがありました。これは楽しかった。しかも阪神の快勝。たちの悪い阪神ファンの兄ちゃんに無理やり勝利のチューをされたりもしましたが(頬ね、口じゃないわよ)、まあ、金もらって阪神の試合を見れたのは嬉しいものでした。

その会社は他のイベントにもスタッフを送っていて、幕張メッセのイベントやビジュアル系のコンサートスタッフも行いました。

幕張メッセのイベントでは、案内係ですが、ひたすら子供たちがベイブレードで戦っているのを遠巻きに見て、時折トイレを案内する仕事です。

ビジュアル系のバンドは、1回だけでしたが鮮烈に覚えています。朝は舞台を組み立てる手伝いをして、チケットのもぎりをして、コンサート中は、観客が舞台に登らないように客席の横でガードする仕事です。

ビジュアル系のコンサートなので、みんな観客激しくて、頭降りまくり。リズムとともに髪の毛がワサッ、ワサッと私の腕に当たります。

バンドメンバーが袖の舞台に来ると、興奮した観客が私を乗り越えようとし、アメフトみたいな状況に。地味な男が一人いて、開演前は物静かだったのですが、そいつがコンサート始まると一番激しかった。俺の背中を踏み台にして、舞台に載ろうとしたり。。。

彼のおかげで、私のメガネが落ち、踏まれて、壊れました(これは後日、会社にちゃんと請求させていただきましたけど。

もう1つは工事現場です。本当は警備員の面接に行ったんだけど、「警備員はトレーニングが必要で長期採用しか取れない、工事現場のスタッフなら雇える」と言われました。

肉体系ではなかったので、躊躇しましたが、選んでいる場合ではありません。その場でさっそくヘルメットと安全靴(先っぽに鉄板入っているやつね)、安全帯をもらって帰ってきました。

ビルの外壁を張り替える工事なんですが、はがしたコンクリートを、麻の袋に入れて、それをひたすら運ぶという仕事。12030キロぐらいの袋をひたすら運んでいくのです。

自分のペースなら多少ゆっくりでもできるのですが、バケツリレーみたいな感じでやる時が一番つらくて、私のところで停滞してしまったりして。そのうち、「使えねえなー」「もう来んなよ」とか言われたり。

たった5日間のバイトでしたが、2日目ぐらいには「早く終われ」しか思っていませんでしたが、契約期間だけはやりきろう、と。

やっているときは嫌なバイトだったけど、今から振り返ると、単発だろうが5日間だろうが良い経験です。

たぶん、海外大学院行く前に工事現場やコンサート会場で働いていたのは私ぐらいじゃないかと思いますが、のちのち語れるネタが増えたし、「仕事ができない」という立場も分かったし、、、二度とやる気はないけど、一度はやっていてよかったかな。

結局、この4か月間で手に入れたバイトは10日間。7万ぐらいの収入でした。

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