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グローバル教育デザインA 意識改革

管理職、教員の意識を改革する

グローバル教育において、一番大切なのは教員の変容です。特に意識改革です。 こんな言葉が聞こえてきませんか。

「別にグローバルなんて必要ないよね」
「グローバルは英語科でしょ」
「海外よりもまずは日本の大学に行けば」
「そもそもグローバル教育って何?」

私自身これまでに様々なセミナーに参加する中で、企業をはじめ、外部の方とも話す機会が多くありましたが、「学校の先生が一番時代の波についていけていない」ということを耳が痛いほど言われます。

実際に教員の中には「グローバルアレルギー」なるものを持っている方もいると思います。変化を強いられることは確かに嫌で、面倒くさいことです。時にはこれまでの行ってきた自分の教育価値観を揺るがしかねない場合もあります。しかし、時代が変化していく以上、抵抗しようが何しようが、遅かれ早かれ必要になることです。

私は、グローバル教育を40 年のギャップを埋める教育」と呼んでいます。私たち教員が受けてきた教育は(年齢によって異なるでしょうが)2030 年前のものです。その昔の価値観では今の時代に通用しなくなってきたどころか、これからの生徒はさらに20 年後の世界で活躍をしていかなくてはなりません。

私たちは自分たちの価値観をさらに再構築し、20年後の時代や人材像を見据えて教育に取り組まなくてはいけませんよね。生徒が向き合う時代はどのようなものか、そしてその時代で活躍するにはどのようなスキルが必要なのか、教員が自らの価値観を変えて、臨まなくてはならないと思います。

うーん、そうはいっても大変ですね。

グローバル人材像、ビジョンを明確にする

やはり学校でグローバル教育を行う際に、最初に設定しなくてはいけないのは「グローバル人材像、グローバル教育のコンセプト」です。グローバル人材の定義や必要なスキル、マインドについては、別のページで述べてありますので、参考にしてください。

人材像の具体例として2つ例を出します。まず1つ目は私が自分で設定しているグローバル人材像です。

・ 国内外問わず、友人の輪を作ることができる人
・ グローバルな意識と教養を持ち、多様性を認めることができる人
・ グローバルな社会問題に関心を持ち、自ら探究できる人
・ クリエイティブに考え、主体的に活動できる
・ コミュニケーション能力に優れ、積極的に自己表現できる人
・ 日本の文化を理解し、誇りを持って発信できる人材

次に、少し趣旨は違いますが、IBが提唱する10個の学習者モデルも1つの参考になると思います。

・ Inquirers
・ Knowledgeable
・ Thinkers
・ Communicator
・ Principled
・ Open-minded
・ Caring
・ Risk-takers
・ Balanced
・ Reflective

このように、単に「グローバル人材」と言葉だけではなく、具体的な人材像の提示をする必要があるでしょう。そして、生徒や周りの教員に対してこれらを自分の言葉で、自分の思いとして語れるようにならなくてはいけません。そして、教育プログラムをこの人物像に合致するようにデザインしていくことが重要になります。

取り組みの柱を決め、整理する

さて、人材像、ビジョンが決まったら、次に具体的な取り組みを考えていきます。取り組みのコンセプトごとに整理してみましょう。以下、6つのコンセプトに分けてみました。

 コンセプト 具体例 
 グローバルな雰囲気作り ネイティブ教員の積極的雇用
帰国生入試 
 グローバルを体験する 留学システムの充実、留学生との交流
国際交流プログラム、海外研修 
 グローバルに対する関心を高め、視点を持つ 異文化理解
多様な価値観の容認 
 グローバルな思考、スキルを磨く 課題解決型学習
クリティカルシンキング 
 グローバルなコミュニケーション能力を培う 英語教育の根本的改革
発信型の授業の導入、プレゼントレーニング 
 グローバルなキャリアを探求する グローバルキャリアの充実
海外進学指導体制の構築 


その中で、私のでは、以下のような図式を持っています。

グローバルな意識 + 英語教育、国際交流 + アルファ

まずはグローバルに自分ごととして関心を持たせるということ。次に、中高のグローバル教育には欠かせない英語教育、国際交流、さらに、プラスアルファでもう1つないしは2つ目玉になるものをもってくる、ということです。1つのモデルイメージを提示しますので、参考にしてください。

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